がんばれ日本代表 「勝利」
ザック日本4強!伊野波劇的4強弾!
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試合終了間際に勝ち越しゴールを決めた伊野波(左)と喜ぶ岡崎(共同) 「アジア杯・準々決勝、日本3-2カタール」(21日、アルガラファ競技場)
日本、辛くも逆転で4強入り‐。2大会ぶり4度目の優勝を目指す日本は開催国カタールと対戦し3‐2で勝利した。前半12分に先制された日本は、28分にMF岡崎慎司(清水)が浮かせた球をMF香川真司(ドルトムント)が頭で押し込んで今大会初ゴールを挙げ、追い付いた。後半に入って16分にDF吉田麻也(VVVフェンロ)が2度目の警告で退場した直後に1点を失った。しかし25分に再び香川が左足ゴールで同点。香川の2ゴールで生き返った日本は、後半44分にDF伊野波雅彦(鹿島)のゴールでついに勝ち越して逃げ切った。日本は4大会連続の4強入りで、25日の準決勝ではイラン‐韓国の勝者と対戦する。
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“ドーハの死闘”を制した。ザッケローニ監督が、スタッフが、控えの選手が歓喜のガッツポーズを決めてピッチへとかけた。メガホンとブーイングの大音量が、けたたましい完全アウェーとなったホスト国との一戦。ザックJAPANが白星をもぎ取った。
立ち上がりから苦しんだ。ザッケローニ監督がミーティングで選手に伝えた「カタールは立ち上がり15分間は前線からプレッシャーをかけてくる」というスカウティング情報とは異なり、カタールは中盤から激しいプレス。満足にボールキープできずに、ペースをつかめなかった。前半12分には、カウンターからもっとも警戒していた相手FWセバスティアンに先制点を許した。平均24・7歳の若き日本は、スタジアムの雰囲気にのまれるように、相手のサッカーに合わせてしまった。
1‐1の後半16分には、同2分に警告を受けたDF吉田が再びイエローで退場処分。そのFKからGK川島の拙守で被弾した。一度もリードすることのないまま時間は経過。自らのミスで、苦しい苦しい試合運びにしてしまった。
そんな苦闘で、覚せいしたのが眠れる背番号10だ。0‐1の前半28分にMF本田圭のパスからMF岡崎が開いてDF裏へ。ループシュートに、最後はMF香川が泥くさく体ごと押し込んで決めた。「チームは良くなっているが、個人的にはまだまだ。求められているのはゴール」と苦悩のふちにいた香川が、ようやくゴールを決めた。
これで終わりじゃない。勝ち越された後半25分には、左足で再び同点弾。さらに終了間際には華麗なドリブル突破から、DF伊野波の決勝ゴールを生み出した。最初のゴールを決めた際には、日本時間21日の未明に待望の第2子である男子が生まれた岡崎らと共に、“ゆりかごパフォーマンス”で祝いをささげた。
代表の逆転勝利は昨年1月6日のイエメン戦(サヌア)以来、21戦ぶり。何度も不死鳥のごとくよみがえったザックJAPANが、アジアの頂へ一歩近づいた。
(2011年1月22日).
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